何の売り込み?「プロパー」

午前診療で次から次へと患者さんを診察し、昼の休憩が終わってまた山のように積まれている診療録をさばき、太陽が西の地平線にかかる頃、その方々は現れます。
「プロパーさん」 製薬メーカーの社員さんです。

患者さんがまばらになった病院の外来待合室に、身綺麗なスーツ姿を低姿勢にして、忙しそうにしている看護師に声を掛けるタイミングを狙っています。
目が合うと、「お忙しい所申し訳ございません。5時に〇〇先生にご面会の予約を入れておりました」と名刺を差し出されます。
時間はまだ4時45分。診察は終了していても、看護師が医師をお呼びするのは2分前の4時58分という決まり事がありました。
その間携帯やスマホを見ることもせず、ただひたすら待合室の椅子で背筋を伸ばして待つプロパーさん。

医師が診察室に来て、看護師から声が掛かると、待たされた立場なのに『お待たせしてはいけない』とばかりに小走りで診察室に入っていきます。
面会が終了し、医師が診察室から出てくると、必ず傍らには製薬会社の名入箱ティッシュ。
プロパーさん方のご家族は、この「働くお父さん」をご存じなのだろうか、とふと感傷的になります。

その感情が、愛情に変わる例もあります。
愛染かつらの〈医師と看護師〉という取り合わせもあることはありますが、〈プロパーさんと看護師〉という取り合わせも珍しくありません。
医師に自社製品を売り込み、看護師には自分自身を売り込む。プロパーさんの営業戦略です。

byouin1

腹膜炎になって知ったドレーン

医療事務の資格を取ってレセプト点検の仕事をしていました。入院患者さんのレセプトを一か月に一度見ていて、手術の患者さんのレセプトに「ドレーン」という文字があって何だろうと思っていました。
水とかリンパ液などを排出する管というのは教科書で解っていましたが見たことはなかったのです。

どんな症状にどんな時に使うんだろうなと他人事のように思っていました。
そんな最中、夏の夜私は腹痛を起こし救急病院に行きました。薬をもらって帰って来たのですが、痛みはひかず、次の日に病院へ行き白血球が異常に高いということで入院しました。
始めは大腸炎ということで点滴をしていたのですが、痛みが酷くなったので手術ということに
なったのです。盲腸が人とは違う裏についていて解りずらかったことと、盲腸に石がつまって
破裂したということで腹膜炎を起こしたのです。
手術が終わって麻酔が覚めた後、お腹からゴムのような管がついていて体液が流れ出ているのを見て、なるほどこれがドレーンかと思いました。

隣りのベッドにいた甲状腺の手術をした人も首からドレーンを下げていて他にも飽きるほどドレーンを見ました。身を持って知りたくはなかったわと思ったものです。
byouin2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>